ふくだたみこの「売れるメルマガ講座」

化粧品のお店「泣けるメルマガ」に反響多数 【黄土倶楽部 さま】

化粧品のお店「泣けるメルマガ」に反響多数 【黄土倶楽部 さま】

楽天市場のクリームファンデーション部門で、89週連続で第1位(2009年12月2日付)。
主力商品であるパーフェクトBBクリームを中心に、その他の化粧品関連部門にも、たくさんの商品をランクインさせている黄土倶楽部。楽天市場の中でも激戦区である化粧品ジャンル。「ここで勝ち抜いていくためには、広告やセールといった瞬間風速の強い売り方に依存していたら通用しないんです」と語るのは、黄土倶楽部を運営する株式会社メビウスソリューションズ代表取締役の小野さん。
ブームが短い化粧品だからこそ、小野さんが大切にしたかったもの・・・それは?

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狙われている・・・ メールマガジンから受けた恐怖
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黄土倶楽部
黄土倶楽部

もともとたくさんのメールマガジンを読んでいたという小野さん。いち読者としてメールマガジンを読み、感じていたことは、「狙われている」という漠然とした恐怖感だったと言います。「売れればいいのか、自分だけよければいいのか」という強い反発をもっていました。とくにショッピングモールから次々と配信されてくるメールマガジンはどれも同じ。セールだ、限定だ、キャンペーンだ、共同企画だと、押し寄せてくる波に、お財布を抱え、身体を丸くする読者の姿が目に浮かんだと話します。この経験を通し「メールマガジンはお店の顔になる。お客様と直接触れ合う媒体だからこそ、喜んでいただけるものをお送りしたい」と心に決めました。

某企業を退社し、小野さんが目指したのは「家族のようなお店」でした。実家の母親が「膝が痛い」と言っていたら「このお店、安売りだよ」とか「新商品がでたよ」とは言いませんよね。「大丈夫?」と優しい言葉をかけますよね。相手が大切な人だから、大切にするわけです。家族だから。小野さんの「泣けるメールマガジン」の原点は、ここにあるのです。

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涙が止まらなかった・・・泣けるメルマガの正体
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取り扱ったのは、化粧品。ご自身がアトピーで苦しんだ経験から、肌の弱い人向けに、自ら化粧品の開発にまで加わり、ボトルやパッケージにもこだわりました。2007年夏にお店をオープンして以来、国産のBBクリームは大ヒット。『JJ』『Hanako』『MISS』『chouchou』など、たくさんの雑誌で毎月のように紹介されています。

家族に喜んでもらえるメールマガジンの発行もはじまりました。内容は様々。小野さんが以前感じた「狙われている感じ」のしないメールマガジンを書こう、家族に向けてメールマガジンを書こうということだけを、徹底しました。

執筆を担当するのは、店長の沖洲さんとスタッフの平井さん。それぞれが大切な人をイメージして文章を綴っていくスタイルが定着しています。「はっきり言って"メールマガジンから売れている"という実感はありません。でも、お客様との絆は着実に太くなっています」と沖洲店長。メールマガジンを送ると、必ず読者の方から投稿や感想のメールが届きます。オンラインショップであれば当たり前かもしれませんが、黄土倶楽部の投稿は単なる感想ではありません。心の奥深いところを揺さぶられたというメールや、感動して泣いています、というメールが多いのです。「いつもメールを楽しみに読ませていただいております。ただ会社で読んでいるときに、涙があふれてくるときがあるので少し困っていますが・・・」など、リアリティーのあるメールに、店長の沖洲さんは、メールマガジンの方向性は間違っていなかったと確信しています。ポイントはふたつ。ひとつは、個人的な話題を書くこと。誰にでも書ける季節や天気の話や、他のサイトでも読めるようなニュースなどは、読者を引きつけません。もうひとつは、ひとりの読者を思い浮かべ、手紙のような口調で語りかけること。読者は、書き手が語りかけている「ひとり」が自分であると錯覚するのです。

「ウサギとカメ」をテーマに「がんばらなくていい、そのままのあなたでいい」というメッセージのメールマガジンを書いたときは、今までにない大きな反響がありました。ある読者の方は、自分に届いた黄土倶楽部のメールマガジンを、友人に転送します。落ち込んでいた友人を励ますために、自分の言葉ではなく、黄土倶楽部のメールマガジンを送るという手段を選択したのです。すると、メールマガジンを転送された友人の方から、黄土倶楽部あてにメールが届いたのです。「黄土倶楽部のメールマガジンを読んで涙が止まらなかった。ありがとう」と感謝の言葉が書きこまれていました。書き手が、たったひとりの読者に向けて、個人的な話題を書くことによって、読者からの投稿も、個人的な話題が増えてきています。怒りをテーマに書いたメールマガジンには、五歳の息子を叱ってしまった母親の告白などが寄せられました。

「メールマガジンが来ると、気に入った箇所をノートに書き写しています」という女性のお客様、「メルマガのデータがなくなってしまったから、再送してください」というメールまで。【ゲーテとピカソの共通点】という件名で出したメールマガジンには、ある大学教授からのメール。大学のドイツ文学の授業で、黄土倶楽部のメールマガジンを使わせてほしいという依頼でした。いまでは、ターゲットとしている若い女性以外にも、いろんな層の読者に支持されています。

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狩猟民族 v.s. 農耕民族のメールマガジン
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お客様は20代~80代。アドレス保有数は約50万。これだけ多くのアドレスをもちながら、メールマガジンの数値的な検証は、ほとんど実施していないとのこと。
「いまはまだ、信頼関係を築きあげる途中の段階だと思っています。私が昔、嫌っていた狩猟型のメールマガジン。獲物を狙って、買わせたいという気持ちが、文章からにじみ出ていました。私が目指すのは、農耕民族です。土を耕し、種をまいて、水をやり、芽が出て・・・長い道です。狩猟型のように奪うもの、奪われるものという関係性にはなりたくありません。農耕型でも、育てて刈り取ろうという発想はないんですね。たくさんの実をつけ、お客様と一緒に、みんなで幸せになりたいだけなんです」と語ります。「オンラインショップならば、もっと真剣に数値分析もやらなきゃとは思っているんですよ。でも、まだ時期じゃないんです。それに数値分析をはじめた途端に、狩猟民族の血が騒いでしまうかもしれません」と苦笑い。「これかも、まだしばらくは今のスタイルのメールマガジンを配信します。1ヶ月で築いた信頼関係より、1年、2年と月日をかけて築いた絆の方が、太くて強くなりますから」と店長の沖洲さんも口をそろえました。

西田敏行が司会を務めた『誰も知らない泣ける歌』、上田晋也(くりぃむしちゅー)が司会を務める『心に響く4コマ劇場』というテレビ番組があるように、黄土倶楽部の「泣けるメルマガ」は、時代に合っているのかもしれません。お客様との絆が強く、太くなることは、結果的には、黄土倶楽部のお店としての存在価値も大きくなるということ。広告やセールで、一時的な売上げをのばすのではなく、不況だからこそ、長期的な視野で考えることが必要なことなのかもしれません。

【参考URL】

黄土倶楽部
http://www.rakuten.ne.jp/gold/oudoclub/

フクダのここがポイント
▼誰にでも書けることは読みたくない!書き手の個人的な出来事、意見を書こう
▼読者は、泣ける話、心が震える"いい話"を求めている

※本連載は、日本流通産業新聞社発行 週刊「日流eコマース」にて連載中の
ふくだたみこの「売れる!メルマガ講座」(2010年1月) に掲載されたものです。
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