ふくだたみこの「売れるメルマガ講座」

たった7行のメールマガジン 【知床三佐ヱ門本舗 さま】

たった7行のメールマガジン 【知床三佐ヱ門本舗 さま】

世界遺産の北海道、知床。厳寒のこの土地で、1996年末にオンラインショップ「知床三佐ヱ門本舗」をオープン。大手ショッピングモールよりも早くからネットビジネスを手掛ける店長の町田義隆さんは、水産加工会社として約50年の歴史をもつ「有限会社くわはら商店」の代表取締役です。自らを知床三佐ヱ門本舗の"よんざえもん"と称し、羅臼の海で獲れた旬の食材を、日本全国に紹介しています。"北海道の海の幸"という激戦区で、後発ショップとの価格競争に巻き込まれることなく、町田式"自由"な発想で、多くのお取り寄せファンに愛されている同ショップの秘密を、町田さんにお聞きしました。

--------------------------------------------------------------------
たった7行のメールマガジン
--------------------------------------------------------------------

知床三佐ヱ門本舗
知床三佐ヱ門本舗

町田さんが自ら執筆するメールマガジンは、とにかくショート。しかも配信は不定期。たとえば、ある日のメールマガジン。「毛がに(羅臼産)入荷しました。550gのものもございます。本日 8月5日 23:59 まではポイント5倍セール!全商品が対象です。もちろん毛がにも。わけありアウトレット(足が1本取れてたりします)もございます。」という感じ。毛がにのページのURLを入れても、合計で7行。スクロールなしで読めるボリュームは、忙しい読者にとってもうれしい配慮と言えるでしょう。「ウニ漁、出ました」、「コクありホッケも入荷しました!」など、鮮度の高い"今"の情報を、イキイキとした文体で発信するのが、町田さんのメールマガジン。

一般的にメールマガジンは、定期配信することにより、読者に信頼や安心感を与えます。ある程度の長さを書くことによって、読者とのコミュニケーションを図ります。商品情報を一方的に送りつけるだけのメールマガジンは、嫌われる傾向ありなんですね。流れに反するような町田さんのメールマガジンには、ショートで不定期である理由がありました。

--------------------------------------------------------------------
8万円の鮭児を4本、たった1時間で売り切る
--------------------------------------------------------------------

古くから、魚の城下町と呼ばれる羅臼。知床三佐ヱ門本舗では、この羅臼の海で獲れる、幻の鮭・鮭児、生うに、かに、ぶどうえび、昆布、しれとこ粕漬けなどの海産物を主な商材としています。

一万尾にたった一尾、幻の鮭とよばれる鮭児(ケイジ)。一千尾に一匹の鮭として有名な、めぢか(めじか)鮭。知床の海ならではの珍しい食材を求めて、お取り寄せ好きのお客様が全国から集まります。「この海で獲れる希少価値の高い食材は、売れれば売れるほど仕入れが難しくなるんです」と町田さんは語ります。しかし、ここで無理をしないのが町田流。「品切れになったからといって、無理に買いつけて売るようなことは、考えたことがない」ときっぱり。コンセプトは「美味しさと 安心は ひとつ 」という言葉に凝縮されています。厳選された食材を待ってくれているお客様を裏切らないために、「いつも品切れですね」の言葉を受け入れることを選択したのです。その代わり、待ってくださっているお客様への配慮は、最優先。入荷の予定がわかり次第、メールマガジンで早急に告知。最新情報を、より早く伝えたいと思うからこそ、ショートにならざるを得ず、当然、不定期にもなってしまいます。商材の難しさに敢えて正面から向き合い、受け入れた結果が、7行のメールマガジン。1本のメールマガジンで、8万円の鮭児を4本、たった1時間で売り切ります。

町田さんは希少な食材についてこう語ります。「私がショップをはじめたころ、鮭のカマの部位は臭みがあるため、捨てられていたんです。しかしカマは、むなびれを動かすため、運動量が多く、脂の乗っている部位でもあるんですね。試しにインターネットで紹介したところ、本体以上の高い値段で売れました。"1尾から2つしかとれない"と見せ方を変えることで、希少価値が上がり、今では人気商品です。みなさんのショップにも、必ずあります。見方を変えるだけで、捨てられていたものが、希少価値の高い商品になるということ。価格競争に巻き込まれないためにも、大事なことだと思います」

--------------------------------------------------------------------
食材ごとのメールマガジン
--------------------------------------------------------------------

知床三佐ヱ門本舗のメールマガジンのもう一つの特徴は、食材ごとにメールニュースが存在するということ。とくに季節性のある食材は、「生うに会員ニュース」、「鮭児(ケイジ)会員ニュース」、「羅臼昆布ニュース」などがあり、すべてのメールニュースに登録している読者も少なくないそうです。「読者の欲していない情報を、一方的に送りつけるメールマガジンは、もしかしたら、邪魔なのではないか」ということを考えさせられます。「商材に興味のある人を絞り込むことは、システムでも可能。でも敢えてお客様に自ら会員登録という"ひと手間"をかけてもらうことが成功の秘訣なんです」と町田さんは言います。

食材ごとのメールニュースには、「見込み客集め」というもうひとつの側面があります。知床三佐ヱ門本舗で扱う季節商品は、旬の季節が終わったときや品切れになったときに、ページを下げることは行いません。お客様の目に触れるところに、品切れのまま置いておくのがポイント。通常のショップであれば、品切れ表示を目にしたお客様は、そのまま「戻る」が一般的な行動パターン。しかし、知床三佐ヱ門本舗に来るお客様は、おいしい物好き、お取り寄せ好きの方も多く、「品切れ状態」によって、より一層の闘志を燃やすのかもしれません。「生うに会員に限定したオトクな情報も」と書かれたメールアドレス登録の枠に、思わず自分のメールアドレスを記入してしまうのでしょう。食材ごとの固定客が育つ仕組みです。メールだけでは満足できないお客様は、「SNS美味し(うまし)会」(2007年オープン)にも会員登録。知床三佐ヱ門本舗の食材を愛するお客様同士の"居心地のいい場所"として定着しているようです。

--------------------------------------------------------------------
二人三脚で、知床の本物だけを
--------------------------------------------------------------------

町田さんのショートメルマガ、そして食材ごとのメールニュース。実は、知床三佐ヱ門本舗には、町田さんのほかにもうひとり、メールマガジン担当者"まるやまさん"の存在があります。おいしいもの好きであり、主婦でもある彼女は、2004年10月よりメールマガジンを担当。週に2回の頻度で、食材の情報、レシピ、裏話などを発信しています。彼女は、町田さんの意思を引き継ぎ、こう語ります。「知床という選ばれた特別な場所。自然からいただいた貴重な素材を、製造スタッフが手塩にかけて商品にしている。食べるのは簡単なことなのですが、食べるまでにどんなプロセスがあって、どんな人が関わったのか、知ってもらいたいし、知ってもらうことが使命だと思っています」と。町田さんのメールマガジンの行間を埋めるような、まるやまさんのメールマガジン知床三佐ヱ門本舗の二人三脚のメールマガジンは、相乗効果で固定客との絆を強くし、新規客の心をとらえているのだと思います。

【参考URL】

知床三佐ヱ門本舗
http://www.siretoko.com/

SNS 美味し会(うまし会)
http://www.siretoko.com/sns.htm

フクダのここがポイント
▼求められている商材なら、7行でも売れる&愛される
▼極端なショートメルマガは、読者との信頼関係があってこそ配信可能

※本連載は、日本流通産業新聞社発行 週刊「日流eコマース」にて連載中の
ふくだたみこの「売れる!メルマガ講座」(2009年10月) に掲載されたものです。
「日流eコマース」の定期購読はこちら!
http://www.bci.co.jp/ecommerce/index.html

※弊社オフィシャルメールマガジンもあわせてお読みください。
http://kotoba-no-chikara.com/days/


ピックアップコンテンツ
※掲載されている情報・URLは発行時点のものです。
←ピックアップコンテンツTOPへ戻る

このページのトップへ戻る

  • グリーゼの最新セミナー情報グリーゼの最新セミナー情報 »

  • 人気ランキング

    インフォメーション

    サービス一覧