ふくだたみこの「売れるメルマガ講座」

Tシャツ×エコ×メルマガ=企業のブランディング 【久米繊維工業株式会社 竹内さま】

Tシャツ×エコ×メルマガ=企業のブランディング 【久米繊維工業株式会社 竹内さま】

前回は「営業全員が書くメールマガジン」というテーマで、久米繊維工業株式会社の事例をご紹介しました。営業に携わっている社員5名が、それぞれ、自分のお客様に対してメールマガジンを発行する、という取組みです。知り合いへのメール、という形でスタートしていますので、「わが社でもできる」、「すぐに始められる」と共感した読者の方も多かったのではないでしょうか。企業とお客様との関係が「受注者と発注者という関係から、パートナーという関係に発展している」という久米繊維の実績。「売れればいい」という気持ちで商品を羅列するだけのメールマガジンは、もう限界に来ています。お客様との関係性を築き、ネットワークを広げるためのメールマガジン。同時に社員のやる気を伸ばし、発想力アップも可能とする注目の取り組みかと思います。

きょうは、その続編として、久米繊維の5名のメルマガ発行者の中でも、ひとり異色の輝きをもつ竹内さんのメールマガジンにスポットを当ててみたいと思います。セールスディレクターの肩書をもつ竹内さん。「メールマガジンが、企業のブランドを構築していく」という事例です。

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ほんとうにTシャツ屋さんなの?
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久米繊維工業 竹内さんのブログ
久米繊維工業 竹内さんのブログ

久米繊維で「営業全員メルマガプロジェクト」が始動したのは、社長久米信行氏の朝礼がきっかけ。2007年12月のことでした。他の社員同様に、最初は気が進まなかったという竹内さん。配信してみたものの、受信拒否の連絡をもらい落胆。苦情のメールには、心が折れそうになったと話します。しかし今では「竹内さん、この話題をメールマガジンでとりあげてください」と読者や企業から依頼がくるほどに成長。仕事の一貫として、執筆を楽しめるようになったそうです。ターニングポイントになったのは、メールマガジンのテーマを環境に絞ったころからだと、竹内さんは振り返ります。自らを「ゴリマッチョなエコ番長」と称し、キャラクターを立てることに決めました。

竹内さんのメールマガジンは、自社製品であるTシャツの話題よりも、エコに関する話題のほうが多く、読者から「ほんとうにTシャツ屋さんですか?」と質問されるほど。ある号では「バックキャスト経営」という経営の話題から入り、「地球規模の環境問題は、大きくて長期的な視点でプランを立てるべき」と主張。最後は、雑誌のURLにクロージングします。このメールマガジンを読んだ読者は、雑誌を手に取ることはあっても、久米繊維のTシャツがすぐに売れることはなさそうです。また別の号では、夏休みに親子で楽しめる映画の紹介をしています。8月13日号。ディズニーネイチャー『フラミンゴに隠された地球の秘密』を実際に観た感想とともに、映画情報を掲載。最後は映画館へと誘導しています。環境をテーマに書き続けることで、「竹内さん=エコ番長」としての認知が安定してきました。

当初、読者75名からスタートしたメールマガジン。契約しているクライアントの担当者、名刺交換して許可をもらった人、環境イベントで出会った人など、徐々に読者数を増やし、間もなく1,000人。オンラインショップのメールマガジンにありがちな懸賞で集めた読者とは違い、全員が顔のわかる読者です。返信あり、問合せありと活発なコミュニケーションからも、開封率の高さがうかがえます。

「久米繊維のTシャツは、もともと環境に配慮した製品なんです。ぼくがエコに強くなったのは、仲良くしていただいている環境NPO・NGO企業のCSR担当者の教えを、少しずつ実施してきた結果だと思います」と謙虚に語る竹内さん。彼のメールマガジンには、その人柄が出ていて、自分が表面に目立つような文章がありません。

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「エコに詳しい社員」から「エコの専門家」へ
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エコや環境にテーマを決め、情報発信し続けることによって、逆に竹内さんのところに情報が集まってくるようになりました。読者に質問されれば、調べ、回答します。そのことをメールマガジンに載せれば、また別の企業から問合せが入ります。竹内さんのメールマガジンが、小さなコミュニティのなかで、エコの中心的役割を果たしています。「エコといえば、竹内さん」として有名になり、もともと環境問題に力を入れていた久米繊維は、より一層「久米繊維=環境に配慮したTシャツ屋さん」のイメージを強くします。久米繊維のブランドを支えていると言っても過言ではありません。

エコの専門家として認められるようになった竹内さんは、メディアにもたびたび登場。「環境と経済」をテーマにしたNHKの討論番組、オーガニックコットンをテーマにしたラジオ番組をはじめ、イベント等にもエコの専門家として呼ばれるそうです。

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遠回り? でも確実に自社の利益につながっている
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環境問題は、私たちにとって、避けては通れない大きな課題。個人として企業として、どう関わっていいのか悩んでいる人にとって、竹内さんのメールマガジンにはヒントが盛りだくさん。敷居の高そうなイベントだとしても、そこに知り合いがいるかもしれないと思うと、足も運びやすいでしょう。「竹内さんに相談すれば、なにか始まるかもしれない」と問い合せる読者も、ひとりふたりではないとのこと。結果的に、竹内さんが所属する久米繊維工業と、読者の所属する企業とのコラボレーション企画にまで発展すれば、双方にとっての利益は大きく膨らむことになります。

実際に竹内さんが絡んだイベントは、いずれも大成功をおさめています。昨年のクリスマスに日本橋三越本店にて点灯された「環境配慮型クリスマスビッグツリー」。使用されている電球、約2万個は、太陽光発電によるグリーン電力によって光っていました。このイベントのきっかけとなる「グリーン電力のレクチャー」を、三越にてコーディネートしたのが竹内さん。社員のキャラクターが目立ち、外に出て活躍することによって、結果的に自社への利益につながっているのです。

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あなたのすぐ横にも、専門家の卵が、
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2回にわたってご紹介してきた久米繊維の「営業全員メルマガプロジェクト」。Tシャツ屋さんは、日本中に星の数ほどあります。エコに取り組んでいる企業も、メールマガジンを発行している企業も、数え切れません。ひとつの特徴でナンバーワンになるのは難しいかもしれませんが、「Tシャツ×エコ×メルマガ」という掛け算の結果では、竹内さんは日本で唯一(オンリーワン)として際立っているのです。そして久米繊維を「環境に配慮するTシャツ屋さん」、「個性豊かな社員のいるTシャツ屋さん」としてブランディングすることにも成功していると言えるでしょう。

情報は、発信する人のところに集まってくるものです。継続して発信することによって、専門家、プロとして認められるようになるでしょう。自分の名前で仕事ができる社員が増えることで、結果として、企業に利益をもたらしてくれます。あなたのすぐ横にも、そんなキャラクターがいるかもしれませんね。

 

【参考URL】

 久米繊維 T-galaxy.com
 http://www.t-galaxy.com/

 竹内 裕のTシャツ&バラエティーエコブログ
 http://takeuchi.hama1.jp/

フクダのここがポイント
▼情報は、発信する人のところに集まってくる
▼テーマを決めて配信することによって、専門家になれる
▼自分の名前で仕事をする社員を、社内に増やそう


※本連載は、日本流通産業新聞社発行 週刊「日流eコマース」にて連載中の
ふくだたみこの「売れる!メルマガ講座」(2009年9月) に掲載されたものです。
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