ふくだたみこの「売れるメルマガ講座」

営業全員が書く!メールマガジンの新たな活用法とは 【久米繊維工業株式会社 さま】

営業全員が書く!メールマガジンの新たな活用法とは 【久米繊維工業株式会社 さま】

2007年12月。年末押し迫ったある日の朝礼。久米繊維工業株式会社の社長久米信行氏のひとことから「営業全員メルマガプロジェクト」が始動しました。久米繊維工業では、2009年8月現在までの約1年半、営業に携わっている社員5名がメールマガジンを発行しています。BtoB(Business to Business:企業間取引)でお付き合いのある各自のお客様や、お付き合いのある方々に向けてのメールです。どんな目的、効果があるのでしょうか?今回は、久米繊維工業にお邪魔して、メールマガジンを書いている5名全員にお話を伺ってきました。

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社員の反発心をはねのけた、社長のアイデアと常務のあと押し
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久米繊維工業株式会社
久米繊維工業株式会社 T-galaxy.com

「ブログ道」や「メール道」の著者としても知られる社長久米信行氏は、当然のごとく、社員にもブログを書くように勧めています。ブログの執筆は、「仕事」の一部としても認められていている社風。「ブログの次はメルマガだろう」と予測していた社員にとっては、社長の年末の提案は、ごく自然なものでした。しかし一方で、反発を感じた社員が多かったことも事実。彼らはこう話してくれました。「ブログは、ある意味、好き勝手に書いていればいい。見たい人が見てくれる媒体なので軽い気持ちで書けます。でもメールマガジンは違いますよね。こちらから送りつけるわけですから......役に立ったと思ってほしいし、喜んでほしいと思えば思うほど、敷居を高く感じます」とても正直なご意見。精神的な負担を理由に「メルマガを書くのには抵抗がある」と感じていた社員が多かったようです。

そんななか、最も強く反発したのが、社長の弟でもあり、常務取締役でもある久米秀幸氏。彼の主張は経営者の視点でした。「これは投資です。営業全体として時間を取られることになります。うちの会社の場合、社長久米信行が広告塔。社内にスターは、ひとりいれば十分ではないか」と疑問を抱いたそうです。逆に「全員が情報発信者になり、お客様とコミュニケーションをとっていくことは、ものすごく良いこと。メールマガジンを書くことで自社の商品や自分自身を見直すことにもなり、実は、スキルアップ、モチベーションアップ、人脈作り、発想力アップなど、得られるメリットは大きいんですよね」と本心を語ってくれました。社長のアイデアは、常務のあと押しもあり、2008年の年明けから本格的に始動することになったのです。

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必ず開く「お友だちからのメール」のように......
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メールマガジンを書くことになった5名は、主にBtoBの営業を担当しています。彼らは、実際に会ったお客様、名刺交換したお客様、契約になったお客様達に向けて、定期的にメールを送るようになりました。最初は数十名に向けて、メールのBCC機能を使って送っていたといいます。メールマガジンの書き方もわからず、社長のメールマガジンをお手本として、見よう見まねで執筆。書いて配信するのが精一杯だった、とのこと。

最初に手ごたえを感じたのは、セールスディレクターの肩書をもつ村上さん。「お正月のごあいさつを兼ねてメールを送ったところ、多くの方からお返事や近況報告をいただき驚きました。メールを継続すれば、営業ツールとしても活用できる、と直感的に感じましたね」と話します。以降全員が、週1回の配信を目標に取り組み中。BtoBを担当している彼らは、BtoCのオンラインショップのメールマガジンのような「商品を売りこむ文章」は書きません。お客様のイベントの紹介をしたり、新作のTシャツの紹介をしたり。個人のプライベートを書くことによって、読者はいつしか、「友だちからくるメール」と錯覚を起こしたのかもしれません。「感想を送ってきたり、質問や問合せが入るのも、メールマガジンがきっかけになることが増えてきたんです」と企画と営業を兼ねて担当する恩田さんが話してくれました。セールスディレクターの甲斐さんも「お友だちからのメールって必ず開封しますよね。メールを繰り返し送ることで、弊社とお客様との距離が縮まっているのを感じます」と付け加えてくれました。

あるお客様のイベントをご紹介すると、メールマガジンを読んだ他のお客様は「うちならこんなイベントができるかも」とヒントとして受け取るようです。「いつかこんなイベントをやってみたい」と夢を抱くお客様もいらっしゃるそうで、久米繊維のメールマガジンを中心として、お客様同士のつながりが、でき始めています。実際に、久米繊維の社員が間に入って、お客様とお客様とお引きあわせする機会もあり、コラボレーションによる新しいイベントが生まれたことも一度や二度ではありません。Tシャツをきっかけに新しいネットワークがひろがっていくことに、醍醐味さえ感じます。

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受注者と発信者から、パートナー関係へ
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最初は失敗や苦労も多かったようです。お客様に誤字脱字を指摘されたり、間違った情報を配信してしまい、号外でお詫びした社員もいます。ネタがなく執筆に時間がかかって、他の仕事に支障をきたしたという社員や、配信解除の連絡をもらって落ち込んだという社員も。本来の仕事ではない「文章を書く」という作業の難しさを感じつつ、それでも、彼らを突き動かしたのは、お客さまからの感想や励ましのメールでした。

メールマガジンをやってよかったことを聞くと、全員が「お客様から反応があったときが、いちばん嬉しかったですね」と口を揃えます。「自分のメールマガジンで紹介したお客様に感謝された」、「うちのイベントも紹介してください、と依頼された」、「営業に伺ったときに"メルマガ読んでるよ"と言ってもらい、話が弾んだ」、「電話がしやすくなった」などセールスディレクターの村上さんは、メールマガジンの成果をこう語ります。

常務取締役の久米秀幸氏は、「メールマガジンのおかげで、Tシャツの受注者と発信者という関係から、パートナーという関係に変わりつつあります。お互いに、なくてはならない存在になっていると感じます。メールマガジンでお客様の紹介を書くときに、そのお客様の素晴らしさや強みを発見しますし、弱点がわかることもあります。次の提案や雑談のなかでも、今まで以上に深いディスカッションができるようになったと思います」と目を輝かせました。

甲斐さんは「人間的な魅力にあふれるお客様を紹介するのは楽しいし、自分の刺激を受けています。メールマガジンを書くことで、新商品開発のヒントが浮かんだことも多いです」と言葉を添えてくれました。

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社内教育ツールとしてのメールマガジン、メディアとしての可能性
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当初、情報発信とコミュニケーションのために始めたメールマガジン。配信するたびにお客様とのコミュニケーションが生まれている今、「お客様にとって役立つ読み物が書けるか」という不安は、確実に乗り越えたようです。「メールマガジンを書くことで自分自身や自社に対する自信が強くなりますし、お客様からエネルギーをもらっているんですね」と、恩田さんは胸を張ります。常務が予想したとおり、メールマガジンは、社員のモチベーションを高め、人脈づくりにも貢献するツールとして定着しています。ひとりひとりが「自分の名前で仕事ができる社員」として責任感を強くしているのも感じました。

次回は、5名の営業担当者の中でも、唯一、約1000名の読者を抱え、久米繊維工業のブランディングにも大きく貢献している竹内氏のメールマガジンにスポットを当ててご紹介します。

 久米繊維 T-galaxy.com
 http://www.t-galaxy.com/

 *トップページに社員ブログのリンク集があります

フクダのここがポイント

▼直接会った人は、必ずメールを(メールマガジンも)を開封してくれる
▼メールマガジンでお客様との絆を強くしよう
▼社員全員、自分の言葉で情報発信すべし。社員教育のメリットもあり!


※本連載は、日本流通産業新聞社発行 週刊「日流eコマース」にて連載中の
ふくだたみこの「売れる!メルマガ講座」(2009年8月) に掲載されたものです。
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※弊社オフィシャルメールマガジンもあわせてお読みください。
http://kotoba-no-chikara.com/days/


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