ふくだたみこの「売れるメルマガ講座」

オンラインショップの「売らないメールマガジン」の謎 【ドルクスダンケ さま】

オンラインショップの「売らないメールマガジン」の謎 【ドルクスダンケ さま】

「売らないメールマガジンを書いてください」
「売らなくて、いいんですか?」
「はい!」

「では、メールマガジンで紹介する商品を教えてください」
「商品は、紹介しなくて結構です」
「メールマガジンに商品のことを書かないのですか?」

「で、で、では...メールマガジンにURLを載せて、商品ページへ誘導しますね」
「うーん困ったな。URLを載せると、読者がWebサイトに行っちゃいますよね」
「はい。サイトに行ってもらって、商品を見ていただきましょうよ」
「うーん。サイトを見てもらうより、メールマガジンを最後まで読んでほしいんですよね」

これは、オンラインショップ「ドルクスダンケ」の店長、坪内俊治氏との会話です。「ドルクスダンケ」は、世界のカブトムシ、クワガタムシを扱うオンラインショップ。本店(ドルクスダンケ店)と楽天市場店(イークワ店)を中心に、インターネット上の店舗を、複数運営しています。

弊社は、2006年7月からメールマガジンの執筆を中心としたお手伝いをさせていただいておりますが、最初の頃は、このような会話を繰り返しながら、「ドルクスダンケ」にとって最適なメールマガジンの形式、内容について議論してきました。

ここで、みなさんに質問です。
売上げアップが目標であるはずのオンラインショップで、なぜ「売らないメールマガジン」を書かなければならないのでしょうか?

その答えは、意外なところにありました。

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1本のメールマガジンで50万!売れるメールマガジンの危機
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弊社では、企業やオンラインショップのメールマガジンの執筆を請け負っています。特にオンラインショップの場合、「クリック率は?」、「売上げ目標は?」と数値のコミットメントを求められ、「メールマガジンに商品をもっとたくさん載せたい」、「この商品も売りたい」といった要望が強いのが、これまでの流れでした。

「ドルクスダンケ」では、オープン以降、坪内店長がずっとメールマガジンを書いていて、「メールマガジンを出せば売れる」というサイクルができあがっていました。

本店(ドルクスダンケ店)のお客様の多くは、いわゆる昆虫マニア層です。彼らは、珍しい種類のクワガタや、自分の好みのカブトムシが入荷されると、たとえ数十万円でも「買い物かご」に入れてくれます。坪内店長が「パラワンオオヒラタ♂100mmペア 入荷」と書くだけで、メールマガジンの配信直後から注文メールが入ってくるという構図。1本のメールマガジンで、50万売れたという実績も!

しかし、坪内店長の悩みは、別のところにありました。マニア層をターゲットにしていると、売上げが「安定しない」というのです。例えば、少人数の高額購入者に支えられているお店では、ひとりのお客様の喪失が、売上げに直接、響いてしまうのです。ここに危機感がありました。

そこで、弊社グリーゼに期待されていることは、ズバリ「新規顧客の開拓」でした。でもいったい、新規顧客とは、誰なのでしょうか?

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「売りつけないで!」
警戒心の強い読者の、心を開く魔法
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イークワ
楽天市場店(イークワ店)

新規顧客として迎えたいのは、小さなお子様をもつパパ&ママ。さらに言うと、そのころからじわじわ増えてきたシングルの女性たちでした。弊社は、新しいターゲットを新規顧客に転換させ、さらにはリピーターに育てることを課題として与えられたのです。

購入者をリピーターに育てることと、未購入者に初めて購入してもらうこととを比較すると、圧倒的に後者の難易度が高いです。一度も購入をしたことのない読者は、警戒心が強く、お店に対する信頼もありません。商品が羅列されたメールマガジンが届くと、「売りつけられている印象」を抱いてしまうんですよね。

そこから生まれたのが、坪内店長の「売らないメールマガジン」の発想でした。弊社は、さっそく、ターゲットと近い層のライター(30代2児のママ)を投入。ターゲットと徹底的におしゃべりするメールマガジンを考えました。

ライターには、オオクワガタやヘラクレスオオカブトの飼育にチャレンジしてもらい、「生きものと暮らす生活での、驚き、感動、悩みなど」を赤裸々に描いてもらいました。失敗談を書くことで読者に親近感が芽生えます。卵から成虫になったときに喜びや、死んでしまったときの子どもの悲しみを書くことで、子どもをもつ保護者からの共感を得られるようになりました。メールマガジンを出すたびに、読者との距離が近づいている感覚。実際、ライターが飼うクワガタの名前を募集した際には、多くの反響がありました。コンスタントに投稿をいただけるようになれば、コミュニケーションを目的としたメールマガジンとして、ある意味、成功と言えるでしょう。

その後も、素人のライターが語る初心者向けのコーナーと、ライターが店長に専門的なことを聞いて答えてもらう中上級者向のQ&Aコーナーをおりまぜ、常に新しい取り組みを行ってきました。

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「売らないメールマガジン」の成果とは...
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このようにして、2006年7月から「売らないメールマガジン」を配信して約2年半。少しずつ成果が出ています。狙っていたパパやママたちが、子どものために昆虫を購入するケースが増加。2008年春に行ったフォトコンテストでは、クワガタ、カブトムシを手に持ち、嬉しそうにカメラに笑顔を向ける子どもたちからの応募が多数ありました。女性客からの問合せや注文も増えてきています。新商品の「プレミアム・ダニ退治ヒノキマット」では、リビングでくつろぐ女性の写真をメイン画像に使い、商品ページを制作。これが当たり、人気商品に成長しています。

このように、オンラインショップの「売らないメールマガジン」は、新規客の警戒心を解きほぐす効果があり、結果的に、売上アップにつながるということが分かりました。

【参考URL】

ドルクスダンケ グループ総本店
http://www.e-mushi.com/

楽天市場店(イークワ店)
http://www.rakuten.ne.jp/gold/kuwakabu/


※本連載は、日本流通産業新聞社発行 週刊「日流eコマース」にて連載中の
ふくだたみこの「売れる!メルマガ講座」(2009年4月) に掲載されたものです。
「日流eコマース」の定期購読はこちら!
http://www.bci.co.jp/ecommerce/index.html

※弊社オフィシャルメールマガジンもあわせてお読みください。
http://kotoba-no-chikara.com/days/


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