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お客様に選ばせない!メンズ衣料で売上17億円の秘訣 【株式会社メンズスタイル さま】

お客様に選ばせない!メンズ衣料で売上17億円の秘訣 【株式会社メンズスタイル さま】

ネット通販のなかでも競争の激しいファッションカテゴリー。『メンズスタイル』は2007年3月、男性用アパレルを扱うネットショップとしてこの市場に参入した。第1期の売上げは年商5,600万円。恵比寿のマンションの小さな一室からスタートし、現在は渋谷の明治通り沿いのビルの1階に事務所を構えるまでに成長。今期4期目の目標を年商17億円としている。代表取締役社長の宇賀神氏に"お客様に選ばせない"という売り方について話を聞く。

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「1,000円以上は買わない」 男女で違う服への価値観
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メンズスタイル
メンズスタイル

宇賀神氏は、女性と男性は買い物の仕方が違うと語る。「女性は、服を買うこと自体が楽しみですよね。いろんな服を着てみたい、オシャレを楽しみたいという気持ちが強いような気がします。男は違います。裸じゃまずいだろう・・・というのは大げさですが、服は着られればいい、カッコよく見えればいい、そして服にお金をかけたくないんです」と分析する。

実は、宇賀神氏も22歳になるまでは「1,000円以上の服は買わない」とまわりに断言していたほど洋服やオシャレにまったく興味がなかったのだ。22歳のとき、たまたま買ったコートを友人にほめられたことが人生の転機となった。

「服を変えただけなのに、まわりからは、カッコイイね、素敵だね、と声をかけられることが多くなりました。ほめられると自信が生まれますよね。単純かもしれませんが、自信がつくと行動が変わるんです。例えば、発言することが苦手だった子が、ちょっと発言してみようかなって思ったり、異性に告白できるようになったりします。すると人生が変わるんです。つまり服が人生を変える。そんな気付きから、自分と同じような男子のためのメンズファッションのお店を作ろうと思い、起業を決意しました」と『メンズスタイル』スタートのきっかけを話した。

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ターゲット25歳男性にカッコイイ服を教える
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宇賀神氏は『メンズスタイル』のターゲットをこう考えている。「男性25歳。仕事が忙しく、ゆっくり買い物に行く暇はない。オシャレには無頓着だったが、ちょっと洋服や靴など変えてみたいと思っている。デパートに行って、全身コーディネートしてもらっているようでは情けない。店員としゃべるのも苦手なので、ネットでカッコイイ店を探している」

ターゲットが決まると、コンテンツも決まってくる。例えば、ファストファッションのお店の場合は「全部で10色取り揃えています。好みの色をお選びください」と選ぶ楽しさを提供する。

ところが『メンズスタイル』のお客様は、商品を選びたいわけではない。カッコイイ服を提案してほしいのだ。そんな受け身の彼らに宇賀神氏は「シンプルプラスアルファ」というコンセプトを掲げ、無地やモノトーンを中心にアイテムを提案。「ベーシックなモノでも、例えば襟裏にワンポイントが入っていたり、裏地にアクセントが入っていたり・・・ちょっとしたオシャレにかっこよさを感じます」という考えを軸に商品を選定している。

宇賀神氏は「お客様はファッションに自信がないから、うちに来るんです。僕らにカッコイイ服を教えてほしいから。お客様が自信がないものを、お客様自身に選ばせてはいけないと思うんです」という信念をもつ。『メンズスタイル』に色数が少なく、代わりに着こなし術、コーディネートの提案が豊富なのは、宇賀神氏の信念の基づく戦略なのである。

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ダントツで売れる企画「10DAYSコーデ」
商品を売らず、コーディネートを売る戦略
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『メンズスタイル』では、毎日新しい企画ページが更新される。トップページの9つのバナーが日替わりでチェンジするので、顧客は毎日ページに遊びに来て、ファッション雑誌を見るかのようにサイトを回遊する。例えば「はずさない!カンタンオシャレ2枚セット」という企画ページは、モヘアのニットと無地のカットソーの着こなし提案をして2枚セットで販売している。「ニットの下に何を着ればいいの?」というお客様のちょっとした不安に応えた企画だ。4年間でメーカー出荷10万枚を超える大ヒット商品になった。

企画コーナーでダントツで売上げに貢献しているのが「10DAYSコーデ」という人気企画。「服は1着買ったら着回したい。でもコーディネートがわからない」という悩みに応えた。11月にアップされた「10DAYSコーデ」は、アウター3種、羽織りもの3種、インナー3種、パンツ3種。この12アイテムで11月から3月までの5ヶ月間着こなせるという提案だ。

サイトには、1日目から10日目まで、10パターンのコーディネートが、迫力ある大きな写真として並ぶ。モデルは宇賀神氏本人。お客様は、好みのコーディネートを見つけ、アウター、羽織りもの、インナー、パンツとトータルで購入していくのだ。

商品を売らず、コーディネートを売る。これが『メンズスタイル』流。他社で扱っているのと同じ商品を、コーディネートという付加価値を付けて売ることによって、『メンズスタイル』の平均客単価は12,000円~15,000円。業界の平均客単価を7,000円と分析している宇賀神氏は、価格競争をしない売り方に手ごたえを感じている。67%の粗利も、宇賀神氏が分析する業界の粗利55%を上回っている。

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1着の服が人生を変える!
年商17億の先にある夢
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宇賀神氏は「ネット販売は、2通りしかないと考えています。顧客を絞りこまず、商品点数で勝負するお店。1アイテム当たり10種類のカラーバリエーションを並べ、すべてのお客様を満足させるようなお店。ロングテールを狙う売り方ですよね。もうひとつは、うちのお店のように、ターゲットを絞りこんだ店です。店独自の提案で売るので、カラーバリエーションを揃える必要はないんです。お客様にこれがカッコイイですよ、と自信をもって提案していきます。お客様に選ばせない売り方です。ちょっといい方が悪いかもしれませんが"カッコよく着こなせれば、別に選びたくない"というのがうちのお客様の思考、つまり22歳までの僕と同じ思考です」

ターゲットを絞り込む戦略をとったことで、宇賀神氏の新商品選定スピードは、他の業者に比べて格段にスピーディーだ。「制作チームでは、1日に10アイテム弱の新商品をサイトにアップしています。そのスピードに間に合うように僕は1日に平均20商品以上セレクトしなければなりません。でもターゲットが好むかどうかで判断すればいいので、迷いがないんです。手にした瞬間にOKかNGを決め、アイテムを左右に振り分けています」

4期目となる今期決算では、年商17億円を達成できる見通しだ。3期目の年商5億3千万円を3倍以上も上回る結果だが、宇賀神氏は「22歳の時の僕のように"服を変えたら人生が変わった"という劇的な経験を、ひとりでも多くの男性に体験してほしいだけです。ちょっとしたことで自信がもてれば、人は行動が変わり、発言が変わり、日常が変わり、人生が変わる。みんながそうなったら、喧嘩のない社会、戦争のない世界ができますよね」と冷静に語った。


【参考URL】

メンズスタイル
http://shop.menz-style.com/

フクダのここがポイント
▼お客様は自信がない。ならばプロとして提案しよう
▼服を売らずコーディネートを売れば、客単価が上がる

※本連載は、日本流通産業新聞社発行 週刊「日流eコマース」にて連載中の
「人気ECサイトのコンテンツ&文章力」(2011年2月) に掲載されたものです。
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