ふくだたみこの「人気ECサイトのコンテンツ&文章力」

1,600ページを超えたお客様コンテンツ 情報コンテンツこそネットショップの財産 【株式会社洗車の王国 さま】

1,600ページを超えたお客様コンテンツ 情報コンテンツこそネットショップの財産 【株式会社洗車の王国 さま】

ブログ、SNS、ツイッターなど、ネットショップからの情報発信方法はさまざまな選択肢がある。そんななか、便利なツールに頼らず、2004年のオープン以来、自社のサイト内にコツコツとコンテンツを作りつづける〈洗車の王国〉。車をもつお客様のページだけで1,600ページを超え、そのほとんどを自らの手で作ったという〈洗車の王国〉店長の相原浩氏に、ネットショップにおけるコンテンツの役割について聞いた。

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愛車の写真が1,600~1,700ページ
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洗車の王国(楽天市場店)
洗車の王国(楽天市場店)

「私が言った言葉ではありませんが"ツイッターは流しそうめん"と聞いたことがあります。情報がどんどん流れて行ってしまうツイッターの世界では、どんなに重要な情報でも、またはどんなに自分にとって必要な情報でも、瞬時にページの下の方に流されてしまいます。そこに危機感を感じます」と、相原さんは、流行りのツイッターにも慎重な構えを崩さない。

〈洗車の王国〉では、手間をかけてでも、ひとつひとつページを作り、コンテンツを増やすことを心がけているという。「お店として手にした情報を、ただ時系列に並べるだけではコンテンツとは呼べないと思います。お客様が必要な情報を素早く探せて、分かりやすく説明が書いてあってはじめてコンテンツと呼べるのです。お客様にとって役立つ情報は、手間をかけてもショップサイトの中にWebページとして作ったほうがいい。コンテンツはお店の財産となり、コンテンツがお店の強みになると考えています」と相原さんは話す。

〈洗車の王国〉にある人気コンテンツのひとつに「仲間探しコーナー」がある。ユーザーは「自分と同じ車はあるかな?」と単純に興味をもち、検索をする。「汚れを落としたり、車の手入れをするときに、何を使えばいいのか」という疑問の答えも、同じ車種、または同じ色の車に乗っている人に求めたくなるもの。

そこで相原さんは、お客様から送られた車の写真やメールの内容を、検索性を重視して整理。洗車後のピカピカの愛車の写真、使用したカー用品の使用感、車を愛する気持ちなどを、お客様の生の声とし掲載した。「なかには、使ってみたけど難しかったなどのご意見などもありますが、こちらで加工することなくそのまま載せています。車種やボディーの色、お客様が住んでいるところの環境やお車の使用状況などによっても、製品の効果が変わってきますので、その辺もご理解いただいた上でご購入いただきたいと思いますので。」と相原さんの信念にはぶれがない。

現在1,600~1,700ページにまで膨らんだ「仲間探しコーナー」のコンテンツページ。カーマニアの方が車自慢で送ってくるのかと考えがちであるが、お客様の多くが洗車初心者。〈洗車の王国〉で初めて洗車と出会った、初めて洗車ができるようになったという一般の人が多いのだ。「カーマニアの人は、そもそも車に詳しくて、自分に必要な用品を買うことや選ぶことが出来ますし、自分なりのテクニックで洗車ができる人。その分、選択肢も多くもっておられます。逆に、洗車は難しい、洗車はめんどくさい、洗車は自分ではできない、と思いこんでいた人に、洗車って簡単なんですよ、自分でやったら楽しいですよ、ということを、伝えていきたいという気持ちが強いんです。アンケートなどをとると、洗車初心者の方が多いのでびっくりしますよ。〈洗車の王国〉が、このコンテンツを通して、お客様同士の"コミュニティ"のような存在になってくれたら嬉しいですね」と相原さんは言う。

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必要なコンテンツは、お客様が教えてくれる
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〈洗車の王国〉には、お客様に役立つ情報コンテンツが各種作られているが、相原さんは、戦略的にコンテンツページを増やしたわけではないと告白する。「最近取材を受けることが増えてきて、よく聞かれるんですが、戦略を練りに練ってコンテンツを作っているわけではないんです。日々、車と接し、車をもつお客様とのやりとりを通し、こんなコンテンツがあったら便利だろうな、とひらめいたことをページとして形にしてるだけ。洗車を難しい、と捉えているお客様に、いかに分かりやすく説明しようかと考えていたらこんなにたくさんページができちゃったんですよね」と話してくれた。

車の部位ごとに、メンテナンス方法を解説している「愛車の総合病院 洗車の王国クリニック」のコンテンツも同じきっかけで作ったコンテンツ。車に詳しくない人は、車の部位の名称を知らない。施工工場で対面で会話ができれば、車を見せながら「ここの傷が・・・」「ここが汚れて・・・」と相談がしやすいが、名称を知らないお客様は、メールでの問合せが困難。そこで、車の写真を載せ、相談したい車の部位をカーソルでタッチし、クリックを繰り返していくと相談の答えが読めるようなページを作った。メールでうまく説明ができないカーオーナーや、わざわざ問い合わせる勇気のない人にとって、便利なコンテンツである。

相原さんが「自分(当店スタッフも含め)が知る限りできるだけ詳しく解説を書きました」と話す通り、例えばナンバープレートひとつをとっても、汚れ、退色・クスミ、シミ、キズ、虫の5つの分類がある。読むといろいろな気付きを与えられる。気の向くままに車の各所をクリックし、読みものとして楽しんでいるユーザーもいるようだ。お客様にサイトに長時間滞在していただき、安心感、信頼感をもってもらう効果もある。

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イベント、キャンペーンを真似する危険性
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コンテンツページを増やすことは、難しいことではない。〈洗車の王国〉がメディアに取り上げられる機会が増えてきた最近は、コンテンツをそのまま真似されることも増えてきた。「真似されてしまうことは覚悟できています。ただし気を付けなければいけない落とし穴があるんですよね」と相原さんは警告する。

例えば、第8回を開催したばかりの「愛車自慢コンテスト」。お客様に写真を送ってもらうというコンテストは、どんな商品でも真似することができるイベントである。相原さんは「企画概要、ページ、応募メール、入選者様への発表方法などの表面的な部分を真似して安易にキャンペーンを実施し、失敗しているお店をたくさん知っています。いきなりキャンペーンを実施して応募がゼロだったり、計画通りに進まずに混乱を起こしたり・・・例えば、一生懸命写真を撮って応募してくれた人への落選フォローはどう考えますか?そういう細部までしっかり計画を立てて実行しなければ、閑散とした企画でした!ということを大々的に公表して終わり、となってしまうのです」とアドバイスしてくれた。イベントを成功させるためには、お客様と信用関係が築けていることが大前提。ここを省略してコンテンツのネタだけ集めようというのはムシがよすぎるのかもしれない。

たくさんのコンテンツを作れる原動力について、相原さんはこう締めくくった「"日本で交通事故が減っているのは、うちのおかげなんです"と中国に出張したときに言ったら、みんなに笑われました。でも私たちは本気でそう思っています。洗車をすると車を大切にしたくなります。大切にしようとすれば安全運転につながります。洗車こそ、交通事故のない安全な社会を作るんです。洗車って難しいと思っている人たちに、洗車の楽しさを伝えていきたい・・・そう考えると、必要なコンテンツ、不要なコンテンツはおのずと見えてきます」


【参考URL】

洗車の王国(楽天市場店)
http://www.rakuten.ne.jp/gold/sensya/

フクダのここがポイント
▼情報コンテンツを増やせば、信頼、安心が生まれる
▼お客様とのやり取りから、必要なコンテンツが見えてくる

※本連載は、日本流通産業新聞社発行 週刊「日流eコマース」にて連載中の
「人気ECサイトのコンテンツ&文章力」(2010年9月) に掲載されたものです。
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