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[番外編] SIPSのSの作り方

[番外編] SIPSのSの作り方

2011年8月25日
 こんにちは。グリーゼの こみやまたみこ です。


 来る9月4日(日)に、高知の「第5回e商人養成塾9月合宿」で
 「SIPSのSの作り方」
 というタイトルのワークショップを開催します。

 今週は、林檎屋のNさんが夏休みのようですので、
 [番外編]と題しまして、読者の皆さんにも、
 なぜこのようなワークショップをやろうと思ったのか、
 どういうことをやろうとしているのかを、お話ししたいと思います(^-^)

 まずは、
 なぜこのようなワークショップをやろうと思ったのかを説明するために、

 ちょっと長いですが、
 以前「日流eコマース」(現「日本ネット経済新聞」)に掲載した
 原稿の一部をご紹介します。



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 1:新しい時代の扉を開くための3つのキーワード
 ────────────────────────

 横浜の女性起業家有志が主催する、
 東日本大震災の被災地支援チャリティーイベントで
 「新しい時代の扉を開くための3つのキーワード」
 というタイトルで、講演をさせていただきました。


  ■1 競争から共栄へ

  「戦略」「戦術」という言葉からもわかるとおり、
  そもそもマーケティングは、

  "戦争で限られた陣地を敵と奪い合う時に、どうしたら勝てるか?"

  という考え方がベースになっています。

  しかし、

  「実はマーケットというのは、有限なものではなく、
   無限なものである」

  「同業者は、マーケットを奪い合う敵ではなく、
   共にマーケットを創造し、
   よりよい商品・よりよいサービスを提供していくために
   切磋琢磨する仲間である」

  と考えると、ビジネスのあり方が根本から変わってくるのではないか、
  という話をしました。


  ■2 強制から共感へ

  今までのマーケティングは、
  「いかにお客様を買う気にさせるか」という、
  ある意味心理操作的なことにばかり、
  焦点が当てられていたように思います。

  しかし、賢い消費者は、すでに
  「無理やり購買意欲をかきたてられて、
   欲しくもないものを買わされてしまう」ようなお金の使い方は、
  心地よくないということに気づいています。

  これからは、強制的に心を動かすのではなく、
  お店や企業のメッセージに共感・共鳴して、お客さまの方から、
  自主的に買う気になってくださるようなコミュニケーションに
  重心が移ってくるのではないか、という話をしました。


  ■3 破壊から共生へ

  私たちが経済活動をする時、必ずどこかで何かを壊しています。
  海も山も空も、人間の活動によって、日々汚され続けています。
  しかし、今までは、売る側も買う側も、そのことに
  目をつぶっていたように思います。
  もちろん多少は、環境に配慮して作ったり、
  環境に配慮されたものを買ったりはしていたかもしれませんが、
  それは「気休め」程度のものだったのではないでしょうか。

  しかし、震災を機に、私たちは地球によって生かされているということを、
  身をもって知りました。
 
  これからは、生産過程で、地球を痛めつけないこと、そしてその物が
  役目を終えて、廃棄される時のことまで考えて作られているものが、
  もっともっと評価される時代になっていくのではないか、
  という話をしました。

  「共栄」「共感」「共生」の3つとも、
  震災後に突然生まれた価値観ではなく、
  少しずつ私たちの心に芽生えつつあったものです。
  しかし、震災を機に、これらの価値観が、
  急速に広まっていくのではないかと感じています。

  (記事転載ここまで)


 この3つのキーワードを、実際の購買行動に落とし込んだもの、
 それが「SIPS」です。



 ────────────────────────
 2:「SIPS」とは何か?
 ────────────────────────

 「SIPS」とは、

  S ~(Sympathize : 共感する)
  I ~(Identify : 確認する)
  P ~(Participate : 参加する)
  S ~(Share & Spread : 共有・拡散する)

 の頭文字をとったもので、この言葉の生みの親である電通さんは、

 「来るべきソーシャルメディア時代の新しい生活者消費行動モデル概念」
 
 であると説明しています。

 私は、この中で特に今までの概念と大きく異なるのは、

  S ~(Sympathize : 共感する)と
  P ~(Participate : 参加する)

 ではないかと考えています。

 もう少し詳しく説明しましょう。


  ■1 S ~(Sympathize : 共感する)

  今まで、消費行動モデルには、AIDMAの法則であれ、
  AISASの法則であれ、AIDCASの法則であれ、
  とにかく、最初に「AI」がついていましたよね。

  A ~Attention(注意をひく・注目させる)
  I ~Interest(興味・関心を持たせる)

  この手法について、「SHARE」(NHK出版)では、
  以下のように述べています。

  >>>--ここから(要約)

   消費者に今の自分だけでなく、なりたい自分を想像させることで、
   必要なものではなく欲しいものを買わせた。

   まだ満たされぬ欲望にはきりがないからこそ、
   この力が有効なことをバーネイズは知っていた。

  >>>--ここまで

  バーネイズは、精神分析学者フロイトの甥です。

  彼は、まだ無名だったフロイトの、出版前の「精神分析入門」を読んで、
  人間の深い潜在意識のレベル、とりわけ
  攻撃性や性的欲求に働きかけることで、
  消費者の行動を操ることができる、ということに気づいたのです。

  怖いですね~。恐ろしいですね~。

  つまり、私たちは、今まで、
  【 人は、"私の欲望"が満たされると思った時に動く 】
  ということを前提に商売をしてきたと言えるでしょう。

  しかし、「共感」はそうではありませんよね。
  つまり、私たちは、バーネイズから約100年の時を経て、
  ようやく「利他」の精神によって、行動し始めたのです。

  これは、大きな変化だと思います。


  ■2 P ~(Participate : 参加する)

  今までは、消費行動モデルには、AIDMAの法則であれ、
  AISASの法則であれ、AIDCASの法則であれ、
  とにかく、後ろの方にもう1つ「A」がついていましたよね。

  これは、

   A ~Action(行動する)

  であり、つまりは購入する、資料請求するなどの、
  「コンバージョン」を指していました。

  ところが、「参加する」は、「コンバージョン」とは限りません。


  「SIPS」のわかりやすい例として、
  「東京マラソン」を考えてみましょう。

  「東京マラソン」は、「東京がひとつになる日」というコンセプトに
  グッと来たたくさんの人たちが、いろいろな形で「参加」しています。

  ただし、ここでいう「参加」とは、「ランナーとして参加する」という、
  「コンバージョン」だけを指すのではありませんよね。

  ・ボランティアとして参加する
  ・応援者として参加する
  ・テレビで応援する
  ・facebookページを作って応援する
  ・自分は走らないけど、ともだちにクチコミする・・・など、

  「コンバージョン」以外にも、さまざまな「参加のしかた」が
  あるのです。

  必ずしも、お金を払うことだけが「共感」から派生する行動ではない
  ということです。
  これもまた、消費行動に関する大きな時代の変化だと思います。


 しかし、「東京マラソン」ならわかるけど、
 一般のビジネス、特にオンラインショップで「SIPS」を実現することは、
 果たしてできるのでしょうか?

 そんな疑問を抱えていた時に、
 水戸のチャリティーセミナーでお会いしたのが、
 楽天市場で「The・会社生活」を運営する田中雅美さんでした。



 ────────────────────────
 3:共感メッセージを作ろう
 ────────────────────────

 田中雅美さんは、
 「どこでもホワイトボード」という商品(サービス)を販売しています。

 「どこでもホワイトボード」とは、ある塗料で壁を塗ると、
 その壁が、そのままホワイトボードになってしまうというものです。

 部屋の四面に塗れば、会議の時、四面をたっぷり使って、
 マインドマップを描いたり、図や表を描いたりすることができる
 というわけです。

 あなたなら、この商品をどんなふうに売りますか?

 AIDCASの法則で売るとしたら、
 最初に「ベネフィット」の提示から始まるわけですから、

 企業に売るなら「会議の効率が上がる」とか、
 教育機関に売るなら「子どもたちの創造力がぐんぐんアップ」
 とかになるでしょうか。

 PASONAの法則で売るとしたら、

 「ご存じでしたか?
  ホワイトボードを消すためにかかる時間のロス、
  ホワイトボードを消すために会議が中断することによる集中力の途切れが、
  会議の効率を30%(当社比)も落としていたのです! Oh,my GOD!」

 みたいな感じでしょうか。

 両方、
 「私にどんないいことがあるの?」「私がどんなことで困るの?」
 という、「利己」のアプローチですよね。

 しかし、田中さんからいただいた
 「どこでもホワイトボード」のパンフレットには、
 全く違うことが、書いてありました。

 パンフレットに記載されたメッセージの一部を抜粋してご紹介しましょう。

 (全文、および、このメッセージの裏付けについては、
  ぜひ、「The・会社生活」のサイトでご確認くださいね)


  >>--ここから

  ひとつの壁がどこでもホワイトボードになる
  ↓
  1人が描き出し、誰かがそれに描き足す
  ↓
  どんどん人が集まってくる
  ↓ 
  どこでもホワイトボードになる壁が増えてくる
  ↓
  どこでもコミュニケーションできるようになる
  ↓
  (中略)
  ↓
  世界中の子どもたちが、
  「学ぶ楽しさ、他人を意識して気づかうこと」を知る
  ↓
  (中略)
  ↓
  世界中の諸問題が次々と解消し、世界が平和になる
  ↓
  地球が癒される

  >>>--ここまで


 いかがですか?

 私たちが「どこでもホワイトボード」を使うことが、
 ひいては地球の癒しになる、と書かれているのです。

 これは、まさに「利他」であり、「共感」を生むメッセージですよね。

 このパンフレットを読んだ時、

 もしかしたら、気づいていないだけで、
 私たちが販売しているすべての商品・サービスは、
 買ってくれた人だけではなく、その人の家族、地域、社会、国、そして
 地球にも幸せをもたらしているのではないか?
 と思ったのです。

 だとしたら、その「つながり」を見つけ出して、言葉にすることによって、
 「共感」という輪がもっともっと広がっていくのではないでしょうか?

 この、

 【商品・サービスと
  家族、地域、社会、国、地球との「つながり」を見つけ出して、
  共感メッセージを作ってみよう!

  そして、共感した人たちにとって、
  どのような「参加」の仕方があるかも、考えてみよう!】

 ということをやろうとしているのが、9月4日(日)の高知です。


 参加してくださる方には、以下のような事前課題を出させていただきました。

 1)「活動に共感し、参加したい(関わりたい)」と思う企業、または
   イベント、商品、サービスを、各自1つ見つけて来てください。

 2)あなたが見つけてきた活動について、「どのような活動なのか」、
   「どのようなメッセージを発信しているのか」、
   「どのような関わり方ができるのか」をまとめて来てください。

 3)その活動を、あなたはどのようにして知りましたか?
   なぜ、共感したと思いますか?
   どのように関わりたいと思いましたか?
   メッセージに反応した自分の心理を分析して、
   まとめて来てください。


 参加される方はもちろん、残念ながら参加できないあなたも、
 ぜひ、課題だけでも、取り組んでみてください(^-^) 

 そうそう、この話は、林檎屋のNさんにはちょっと難しすぎると思うので、
 しばらくは、ナイショにしておいてくださいね(v^ー゚)

 ※参考サイト:
  SIPS
  http://www.dentsu.co.jp/sips/index.html
  東京マラソン
  http://www.tokyo42195.org/2012/
  The・会社生活
  http://www.kaishaseikatsu.com/fs/kaishaseikatsu/wbd07-a0017
  買う気にさせるAIDCAS(アイドカス)の法則
  http://kotoba-no-chikara.com/days/komiyama/000009.html
  商品紹介を「後回し」にするPASONAの法則
  http://kotoba-no-chikara.com/days/fukuda/000020.html


 いかがでしたか?
 「SIPSのSの作り方」のワークショップ、受けてみたくなった!
 という方は、下記からお申込みください。
 http://tinyurl.com/3oegaxx

 イージーの岸本さん、竹虎の山岸さん、クオカの斉藤さんはじめ、
 全国の熱~い経営者たちと、
 みっちり語り合えるチャンスですよ~♪

 あなたと高知でお会いするのを、心から楽しみにしています。


 高知は、私が講師業を始めるきっかけとなった土地です。

 確か、当時はまだ下の子が3歳になったばかり。

 ネットで託児所を探し、
 セミナー開始前に子どもたち2人を託児所に預け、
 託児所が閉まる前に迎えに行き、
 セミナーが終わるまで、子どもたちを廊下で待たせ、
 子どもたちを連れて、皆さんと一緒に懇親会に行っていたことを、
 今でもよく覚えています。

 小さいころから本場のカツオのタタキをはじめとする、
 美味しい土佐の魚を堪能していたうちの娘たちは、
 今では大変食べ物にうるさい子どもに育ち(笑)、
 クオカさんで、せっせとお買いものをして、
 お菓子作りやパン作りに励んでいます。

 彼女たちが大人になったら、
 一緒に「藤のや」さんのカツオのタタキを肴に、
 http://tinyurl.com/429pkcr

 美味い土佐のお酒を飲みたいです(^-^)
 
 それでは、今回はこのへんで。
 次回は、ふくだたみこがお届けします。お楽しみに♪

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