グリーゼな日々バックナンバー

アイデアの検証<ショップコンセプトの見直し>

アイデアの検証<ショップコンセプトの見直し>

2011年1月27日
 こんにちは。グリーゼの こみやまたみこ です。

 林檎屋のNさん、今頃ですが、明けましておめでとうございます!

 昨年は、オズボーンのチェックリストという
 "アイデアを生み出すための道具"を使って、
 http://kotoba-no-chikara.com/days/

 Nさんのお店の"選ばれる理由"を、作りましょう!
 というところまで進みましたよね。

 昨年末に出した宿題、やってきてくれましたか~?

 あれっ? Nさん、なんだか浮かない顔ですね。
 どうしたんですか?

 「正月にさ、コミヤマさんに教えてもらったとおり、
  かーちゃんと、アイデア出しをやったんだけどよ」

 そうですか!

 そういえば、昨年末、沖縄で忘年会をやった時に、
 沖縄の皆さんが、

 "やっぱりNさんは、かーちゃんがいなくちゃ!"

 と言ってましたよ♪

 「そ、そうかい?(照)

  いや、それはいいんだけどさ。

  オズボーンのチェックリストを使うと、
  アイデアは、いろいろ出てきていいんだけど、

  出てきたアイデアが、な~んかイマイチっていうかさ、
  これでイケる!っていうのが見つからないっていうかさ」

 なるほど、なるほど。
 それは、いいところに気づきましたね。

 「え、そうなの?」

 そうですよ。

 その「イマイチ・アイデア」を
 「これならイケる!」「斬新なビジネスモデルだ!!」と
 勘違いする人も多いのに、Nさん、さすがですね♪

 「いや、それは、その、かーちゃんが・・・」

 やっぱりですか(笑)
 では、どんなアイデアが出たのか、一緒に見ていきましょう。



 ────────────────────────────
 1:Nさんが考えた10のアイデア
 ────────────────────────────
 
 で、Nさん、どんなアイデアが出たんですか?

 「え~っと、
  まず、"資産"として洗い出したものから、考えたやつな。

 1)ほんのちょっぴりだけど、珍しい果物を仕入れられる
   ↓
   レストランや料亭に卸す
   ↓
   安定供給ができないので、ボツ

 2)かーちゃんが、保育士の免許を持っている
   ↓
   果物を、保育園の食育教育に使ってもらう
   ↓
   その後の展開がよくわからないので、ボツ

 3)ばーさんが、お茶とお花の師範の免状を持っている
   ↓
   茶菓子として、珍しい果物を提案する
   ↓
   受け入れられなさそうなので、ボツ

 4)近所に、有名なパティシエがいる
   ↓
   果物で、スイーツを作ってもらう
   ↓
   ありがちだから、ボツ

 5)グルメ雑誌の記者と親しい
   ↓
   グルメ雑誌に果物についての記事を書かせてもらって、
   果物ライターとして有名になる
   ↓
   誰が書くのよ?

 6)自分が欲しい果物を、間違いなく仕入れてくれる購買代理人になる
   ↓
   果物を完全予約販売にする
   ↓
   いいけど、売上的には、今とあまり変わらないから、ボツ」

 ふむふむ。それから?

 「次に、オズボーンのチェックリストを使って、考えたやつな。
  いっぱい出したけど、しょうもないのも多かったから、
  まあマシなやつだけ言うと、

 7)他でやっていることを真似できないか、考えてみましょう。
   ↓
   免疫力アップのために、にんじんジュースじゃなくて、
   林檎ジュースを飲むことを奨励する
   ↓
   根拠があまりないし、
   別にウチの林檎である必要がないので、ボツ

 8)意味、色、型、場所を変えてみたらどうか、考えてみましょう。
   ↓
   ホワイトデーには、キャンディーやマシュマロじゃなくて、
   フルーツを贈るという流行を作る とか

   母の日には、カーネーションじゃなくて、
   フルーツを贈るという流行を作る
   ↓
   どうしたらいいかわからないし、
   一時的に売れてもしょうがないので、ボツ

 9)意味、色、型、場所を変えてみたらどうか、考えてみましょう。
   ↓
   花束の代わりに、フルーツを贈るという流行を作る
   ↓
   どうしたらいいかわからないので、ボツ

 10)何かと組み合わせてみたらどうか、考えてみましょう。
   ↓
   かーちゃんが、ラッピングコーディネイターの資格を取って、
   ラッピングがイケてる果物屋として売る
   バルーンとかくっつけてもいいかもしれないな
   ↓
   なんか小手先な感じがするので、ボツ

   と、こんなとこかな」

 いっぱい、考えましたね。エライ、エライ(^o^)

 「へへへ、そうかな(照)」

 ちょっと補足しておきますと、
 アイデア出しをする時のポイントは、前号にも書いたとおり、
 「こんなアイデア、ダメだ」とか「無理」とかいう判断をせずに、
 どんどん出してみることです。

 ところが、自分のお店や会社に関することだと、
 どうしても「できない」「無理」「大変そう」と
 新しいアイデアに対して、否定的になってしまいがちです。

 そこで、外部の方(友人など)に、
 「できる」「できない」に全く関係ない立場で、
 アイデアを出してもらうと、
 意外に面白い案が出てくることもありますよ。

 「へぇ~、今度やってみるよ」

 ぜひぜひ♪

 では、出てきた案を、どのように検証していくかを、
 お話しましょう。



 ────────────────────────────
 2:「できるとしたら?」と考えてみよう
 ────────────────────────────

 Nさんは、10案全部をボツにしていらっしゃいますが、
 ボツにした理由が、「できないと思いこんでるだけ」とか、
 「検討の幅が狭かっただけ」ということも、多々あります。

 例えば、

 1)の「レストランや料亭に卸す」は、

 「安定供給ができないので、ボツ」となっていますが、

 逆に、安定供給できないくらいの希少品であることをウリにしたら、
 仕入れたいというレストランや料亭が出てくるかもしれませんよね?

 「そりゃ、そうだけど、希少品ばっかり卸してたって、
  利益にならないし」

 それは、また別の問題ですよね?

 ここでは、「安定供給ができない」というのが、
 本当にこの案をボツにする理由になるのか? ということを、
 ひとつひとつ検討していきましょう。

 その案のままでは、実現が難しくても、
 もう少しひねれば、可能性が広がる場合もあります。

 例えば、

 3)の「茶菓子として、珍しい果物を提案する」は、
 
 希少な果物だけを扱うのであれば、実現性は低いかもしれませんが、
 果物を使ったお菓子全般を扱うことにして、
 「茶菓子.com」というサイトにすれば、イケるかもしれませんよね。

 以前、私のセミナーを受講してくださった「謝花きっぱん」さんは、
 柑橘類を主原料とした茶菓子を作っている老舗です。
 このような、果物を使った隠れた名品は、
 意外と、他にもたくさんあるかもしれませんよ(^-^)

 「そういう考え方をするとしたら、
  ほとんどの案は、生き残るかもしれないな」

 そうでしょう、そうでしょう(^-^)
  ですから、安易にアイデアを潰してしまわないようにしましょう。



 ────────────────────────────
 3:売上予測を考えてみよう
 ────────────────────────────

 「できるとしたら?」の次に、
 「もし実現したら、どのくらいの売上に繋がるのか?」
 を考えてみましょう。

 「できるかもしれないけど、大して売上に貢献しない」のであれば、
 チャレンジする意味はありませんよね。

 そもそも、なぜショップコンセプトの見直しをしているかというと、
 年商5千万円(月商平均 約420万円)を達成したいからなわけですから、
 目標に届きそうなプランを選びましょう。

 例えば、

 1)の「レストランや料亭に卸す」は、

 希少品だけを卸していたら、確かに利益にならないかもしれませんが、
 希少品を入口商品にして、通常商品も通年扱ってもらえるなら、
 商売になるかもしれませんよね。

 3)の「茶菓子として、珍しい果物を提案する」
 改め、「茶菓子.com(仮称)」は、

 茶道人口がどのくらいかは、
 「レジャー白書」を見ればわかります。

 少し古いデータですが、
 平成20年度は、240万人と出ているようですね。

 そのうちの0.1%が、年間に5千円の買い物を4回してくだされば、
 年商4,800万円ということになります(^-^)

 「へぇ~、そう考えると、
  なんとなくイケそうな気がしてきたよ」

 そうですよね。ですから、感覚ではなく、
 数字で検証してみることが、大切です。


 
 ────────────────────────────
 4:コストを考えてみよう
 ────────────────────────────

 次に考えるべきは、コストですね。

 これは、「お金」という面から考えるコストと、
 「人的資源」や「時間」の投入という面から考えるコストと、
 両方検討することが、大切です。

 例えば、

 4)の「果物で、スイーツを作ってもらう」で、
 フルーツロールケーキを作ったとします。

 ロールケーキの市場は、ネット上に存在しますが、
 それだけ競合も多いですよね。

 「ロールケーキ」で検索すると、広告もいっぱい出てきますし、
 有名ショップが、いっぱい表示されます。

 この中で、お客様を獲得するためには、
 ショッピングモールに加入し、モールの広告を購入するなど、
 相当の費用をかける必要があるでしょう。

 では、競合が少なければいいかというと、
 そうではありませんよね。

 例えば、

 3)の「茶菓子として、珍しい果物を提案する」
 改め、「茶菓子.com(仮称)」は、

 茶道人口は、240万人(平成20年度)ですが、
 ネットで「茶菓子」を検索している人はほとんどいませんから、

 ネットを活用している層に、「お茶」という文化を啓蒙し、
 ネットで「茶菓子」を購入していただくという、
 手間がかかることをしていかなければなりません。

 また、

 9)の「花束の代わりに、フルーツを贈るという流行を作る」も、 
 「フルーツフラワー」は、
 アメリカでは、2000年くらいから流行し始めており、
 2006年のマーケティング・オブ・ザ・イヤーにも選ばれていますが、

 日本では、まだまだ知名度が低いので、
 まず「知ってもらう」というところに、コストをかける必要があります。

 とはいえ、コストがかかるから「悪い」ということではなく、

 例えば、
 「茶菓子.com(仮称)」や「フルーツフラワー.com(仮称)」は、
 軌道に乗るまでは大変かもしれませんが、

 競合がいない分、先行者利益を得る可能性も多いにあります。

 メリットとデメリットは、背中合わせですので、
 両方を十分に検討した上で、
 いちばんベストだと思える案を選択するようにしましょう。

 「なるほど! なんだかワクワクしてきたよ」



 ────────────────────────────
 5:ミッションから、ずれていないかチェックしよう
 ────────────────────────────

 アイデア出しが楽しくなってくると、
 どんどん新しいことを思いついて、ワクワクしてくるのはいいのですが、

 「あれ? ところで何のために、これやってたんでしたっけ?」

 となることも、あります。

 Nさんの場合、「何のためにやるのか(ミッション)」は、

  果物を販売して、売上をあげて、家族の暮らしを支え、
  事業を継続していくため

 でしたよね?

 ですから、「気がついたら、果物から離れちゃってた」
 ということがないように、気をつけてくださいね。

 「なるほど、果物ライターとして有名になっても、
  果物屋が継続できなければ、意味がないってことだな」

 そういうことです(^-^)



 ────────────────────────────
 6:最後は、自分の心に聞いてみよう
 ────────────────────────────

 ところで、Nさん、
 あれこれ考えている時って、「頭で」考えていますよね?

 「そりゃそうだ」

 その時は、「自分は、本当にそれをやりたいのか」
 という「気持ち」のことは、意外と忘れてますよね?

 「まあ、そうかもしれないな」

 ところが、新しいことに取り組む時の「エンジン」は、
 「気持ち」の所に、あります。

 「どういうこと?」

 新しいことをする時っていうのは、
 飛行機が離陸する時と同じで、
 いちばんエネルギーを必要とするんですね。

 しかも、それですぐに安定飛行に入れればいいですが、
 たいていは、何カ月も、何年も、
 低空飛行とか、迷走飛行(笑)とかが続くわけです。

 その間、
 "本当にこれをやりたいんだ"
 "本当にこれで成功したいんだ"
 という「気持ち」に支えられていないと、

 "今はうまくいってないけど、
  理論上は、何年か掛かればうまくいくはずだから、続けるべき"

 という「頭で」考えた「ねば」「べき」だけでは、
 人間、意外と頑張れないものなんです。

 「確かに、そうかもしれないな」

 ですから、「頭で」考えただけで、結論を出してしまわないで、
 必ず、奥さんとも「本当にやりたいかどうか」という視点で、
 話をしてみてくださいね。

 「了解!」

 次回、どんなプランに決めたか、お聞きしますね。
 楽しみです♪

 「え? そうなの?(焦)

  お~い、かーちゃん、次回までだってよ!!」


  ※このお話は、フィクションです。



 それでは、今回はこのへんで。

グリーゼな日々バックナンバー
※掲載されている情報・URLは発行時点のものです。
←グリーゼな日々バックナンバーTOPへ戻る

メールマガジンのご登録はこちらから

このページのトップへ戻る

  • グリーゼの最新セミナー情報グリーゼの最新セミナー情報 »

  • 人気ランキング

    インフォメーション

    サービス一覧