グリーゼな日々バックナンバー

ペルソナは、忘れる <ユーザー体験シナリオ>

ペルソナは、忘れる <ユーザー体験シナリオ>

2010年5月27日
 こんにちは。グリーゼの こみやまたみこ です。

 林檎屋のNさんは、ただいま、
 脚本(=「ユーザー体験シナリオ」)を書いているところです。

 『Nさんのネットショップのお得意様を象徴する存在である
  「松たか子さん(仮称)」が、
  Nさんのネットショップでお買いものをするまでのドラマ』

 の脚本です。

 前回は、「購入先候補を5店舗まで絞った」というところまで
 書き進みました。

 読者の皆さんは、いかがでしょうか?
 もし、まだ自分のお店では、やっていないという方は、
 Nさんと同じところまで書き進めてから、
 今日のお話を読んでくださいね。
 (※絞り込むまでのステップは、ペルソナや商材により異なります。)

 「なんだっけ?」という方は、バックナンバーをどうぞ(^_^)
 http://kotoba-no-chikara.com/days/komiyama/000035.html

 さて、通常のユーザー体験シナリオでは、この後、
 「候補店を、1~2店舗まで絞り込む」
 というステップに入っていきます。

 ギフトであれば、
 ・ラッピングしてもらえるか
 ・メッセージカードは入れられるか
 ・到着日指定ができるか
 などが絞り込みの条件になるかもしれませんし、

 ショッピングモールの愛用者であれば、
 ・ポイントがつくかどうか
 が、絞り込みの条件になるかもしれません。

 ファッション系の商材や、食品・食材なら、
 「レビュー」を見て絞り込むことも多いと思います。

 でも、Nさんの場合は、ちょっと違っているようです。
 さっそく、話を聞いてみましょう。



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  1:ペルソナは、忘れる
 ────────────────────────────

 Nさんのペルソナである、松たか子さん(仮称)は、
 「高徳」という林檎を買いたかったのに、
 全てのお店で売り切れていたため、
 「入荷のお知らせをしてくれるお店」を候補にすることにしたんでしたよね。

 その後、どんなステップで、購入するお店を絞り込んでいくのでしょうか?

 「う~ん、絞り込まないんじゃないかなぁ・・・」

 と言いますと?

 「アドレス登録をした時点で、
  どの店に登録したかも忘れちゃうと思うんだよね」

 確かに、そういうことありますよね。
 私も欲しい本があるのに、Amazonで在庫切れだったりすると、
 「ほしい物リスト」に入れただけで、忘れてしまうことが
 よくあります。

 「そういう本って、その後どうなる?」

 そうですね~。
 一旦は欲しいと思ったわけですから、
 その直後くらいに、たまたま他の本屋で見かければ買いますが、
 そうでなければ、忘れてしまいますね。

 実際、自分の「ほしい物リスト」を見ると、
 「なんで、この本が欲しかったんだろう???」
 と、ナゾな本が結構あります(笑)

 「そうなんだよ、人間、欲しいと思った時が買い時で、
  そのタイミングを逃すと、欲しくなくなっちゃうんだよ。

  この心理をよく知ってるな~と思ったのが、某ショッピングモールでさ、
  出店の資料請求をしたら、5分も経たないうちに電話がかかってきて、
  びっくりしたよ。

  でも、あれは正解だね。
  もし1週間後に資料が届いたとしたら、出店しようと思ったことなんて、
  すっかり忘れてると思うよ。

  さすが、3万店以上集めてるだけのことは・・・」

 あの~、Nさん、話がずれちゃってますけど?

 

 ────────────────────────────
  2:Nさん、某ショッピングモールに学ぶ
 ────────────────────────────

 「いやいや、コミヤマさん、最後まで聞いてよ。

  だからさ、オレも某ショッピングモールの真似をしようと
  思ったわけ」

 ほほぉ~、電話をかけるんですか?

 「いや、さすがに電話はかけないけどさ、
  メールマガジンに登録してくれた人に、すかさずお礼のメールを
  出すわけ」

 Nさんが?

 「いや、かーちゃんが」

 やっぱり(笑)
 誰かがメールマガジンに登録すると、すぐにわかるようなシステムに
 なってるんですね。

 「システムだかなんだかわからないけど、
  誰かが登録すると、登録がありましたってメールが来るんだよ。

  それを、甥っこが遊びに来た時にちょっと直してもらって、
  どの商品ページから登録したかがわかるようにしてもらったんだよ」

 ふむふむ、それでかーちゃんは、どんなメールを書くんですか?

 「まずは、メールマガジンに登録してくださいまして、
  ありがとうございます、だよな。

  その後に、今お勧めのフルーツ情報を載せるわけ。

  高徳を買いたいと思ってるお客さんっていうのは、
  要は、ちょっと高くてもいいから、珍しくて、抜群に美味いフルーツが
  食べたいわけだろ?

  それで、自分で食べてブログで自慢したり、
  友だちんちに持ってって、自慢したりしたいわけだよな?」

 まあ、そうですね(^_^;

 「だからさ、高徳はありませんけど・・・っていって、
  その時手に入る珍しいフルーツを紹介するわけ。

  そして、いかにそのフルーツが手に入りにくいか、
  いかに美味いかってことを、かーちゃんが一生懸命書くわけさ。

  そうすると、3人に2人は"じゃあ、それいただくわ"ってなるよ」

 なるほど~。それは素晴らしい!

 ペルソナの購買心理をよく把握しているし、
 オペレーションを、ある程度自動化せざるを得ない、
 大手ネットショップには、なかなかできない
 きめこまやかな対応ですね。

 「お! 珍しく褒められたぞ」

 かーちゃんを、褒めたんですよ(笑)



 ────────────────────────────
  3:選ばれる5つの理由
 ────────────────────────────

 実は、Nさんのさっきの話の中には、
 もうひとつ、褒めてあげたいところがあります。

 「なになに? 褒めてくれるのは、大歓迎だよ!」

 ペルソナのベネフィットを、きちんと把握している点です。

 「ベネ・・・なんだっけ、それ?」

 Nさん、もう忘れちゃったんですか。
 バックナンバーを読んで、思い出してくださいね。
 http://kotoba-no-chikara.com/days/komiyama/000007.html

 Nさんのペルソナは、「高徳」というモノを買いたかったわけじゃなくて、

 『珍しくて、抜群に美味しいフルーツを、自分で食べてブログで自慢したり、
  友だちの家に持ってって、自慢したりする』

 ↓

 『あなたって、本当にグルメね~とか、
  美味しいものをよく知ってるわねぇ~とか、
  わ~こんな珍しくて美味しいもの初めて!ありがとう~♪とか言われて、
  嬉しい気持ちになる』

 というコト(=ベネフィット)を買っているということです。

 ですから、必ずしも「高徳」というモノでなくても、
 同じベネフィットが得られれば、別のモノでもいいわけです。

 Nさんは、このことに気づいていたからこそ
 「高徳」の入荷案内が欲しくてメールマガジンに登録した人に、
 すかさず他のフルーツを勧めるという発想が出てきたんですよね?

 すごいな~。さすがだな~。

 「いや・・・そ、それほどでも(照)

  あっそうか、
  だから、かーちゃんは、一生懸命お礼メールを書いているわけだな。
  営業時間中は、1時間以内に返信を目標にしているみたいだしな。」

 どうやら「さすが」なのは、Nさんではなく、かーちゃんのようですね(笑)

 ここまでの話を聞いて、Nさんのショップには、「選ばれる理由」が
 5つもあることがわかりました。

 「え? そんなに?」

 そうですよ。


 1:「高徳」というメディアによく登場する、入手困難な林檎を扱っている
   (検索商材を持っている)

 2:「林檎 高徳」「林檎 こみつ」等で検索すると、
    検索サイトの1ページめに表示される
   (基本的なSEOができている)

 3:在庫切れの場合、そのままお客様を帰してしまわないように
   工夫している。
   (メールマガジンに誘導している)

 4:入荷案内を希望するお客様には、1時間以内にメールを送っている。
   (スピード対応)

 5:顧客のベネフィットを把握し、ベネフィットに合った代替品を提案して、
   クロージングしている。

 ということは・・・

 

 ────────────────────────────
  4:ペルソナは、比較しない
 ────────────────────────────

 松たか子さん(仮称)は、他の店と比較しないのです。

 「あ~そういえばそうかも」

 比較検討をするのは、「あっちもいいし、こっちもいいし」という
 状態の時です。

 でも、Nさんは・・・いや、Nさんのかーちゃんは、
 松たか子さん(仮称)に迷う時間を与えないで、
 クロージングしてしまっているわけです。

 ということは、つまり、
 「ポジショニングマップ」は必要ないということなんです。

 「あれ? それを作るために話し始めたのに、
  作らなくてよくなっちゃったの?」

 少なくとも、この商材で・このシナリオの場合は、そうですね。

 「なんか嬉しいような、物足りないような・・・」

 そうですね。多分それは、このシナリオが、かなりニッチな市場
 (「高徳」という希少な果物をネットで購入したい人の市場)を
 扱っているからだと思います。

 これが、ただの「贈答用林檎の詰め合わせ」だったら、
 こうはいきませんよね(^_^)

 「そうだな。そういう商品だと、うちが"選ばれる理由"を
  探すのは、かなり難しいと思うよ」

 じゃあ、Nさんのネットショップは、これからどういう方向に
 もっていけばいいと思いますか?

 「高徳のように、希少でメディアにちょくちょく登場するような商品を、
  少量でもいいから、年間を通じて取り扱えるようにすることかな」

 そうですね。でも、それだけだと、大した売上にはならないのでは?

 「大丈夫、大丈夫。

  この松たか子さん(仮称)は、一回買ってくれると、
  うちのファンになってくれて、8割方はリピートしてくれるから。

  1回目の購入は、希少品を欲しがるけど、
 "この店の商品は間違いない"とわかれば、
  2回目からは、ふじでも王林でも、うちが勧めたものを
  買ってくれるようになるんだよ。」

 それなら、大丈夫です。
 これで松たか子さん(仮称)の、
 『初回購入のシナリオ』と、
 『リピート購入のシナリオ』ができあがりましたね。

 「え? そうなの?」

 はい、次回までにまとめておいてくださいね。

 「あ~また宿題が・・・」

 いいじゃないですか。どうせ奥さんがやるんでしょ?(笑)
 読者の皆さんも、ぜひクロージングのところまで、
 書き進めてみてくださいね!

 比較検討される場合の「ユーザー体験シナリオ」も、
 次回以降でご紹介していきますのでお楽しみに♪

  ※このお話は、フィクションです。



 インターネットビジネスの初心者向けのセミナーで、
 必ずお見せしている1枚の図があります。

 大きな三角形を、横に3つに切って、

 一番下に、「実店舗」、
 真ん中に、「カタログ通販」
 一番上に、「ネット販売」

 と書いてある図です。

 ネットビジネスに取り組もうとしている方は、
 ネット特有のノウハウ
 (ページデザインとか、メルマガとか、SEMとか、LPOとか)
 さえ学べば、成功すると思いこみがちなのですが、

 「それ以外に、
  いわゆる"商売"として、きちんと押さえておかなければならないことを、
  大切にすること、

  そして、カタログ通販(無店舗販売)の知識やノウハウも学ぶことが、
  成功の秘訣ですよ~」

 というお話をする時に使っています。

 例えば、本メールマガジンの登場人物 林檎屋のNさんは、
 ネット販売やカタログ通販に関する知識は、ほとんどなかったのですが、

 "商売"として、きちんと押さえておかなければならないこと、

 すなわち、付加価値の高い商品を仕入れるということや、
 お客様の気持ちを考えた接客などができているからこそ、
 少しずつでも売上を伸ばし、ファンを増やし続けることができているのです。

 このように、「売れているショップ」の「売れている理由」が、
 サイトを見ただけでは、なかなかわからない場合もありますので、

 「なぜ、このショップが売れてるんだろう?」と疑問を感じたら、
 ぜひ一度、身銭を切って、購入してみることをお勧めします。

 ちなみに、Nさんは想像(妄想?)上の人物ですが、
 私が今までにお会いした、
 「パソコンやネットのことは苦手だけど、"商売"はきっちりやっている」
 職人肌の店長さんたちを、モデルにしています(^_^)

 それでは、今回はこのへんで。

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