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風評被害に負けない筑波ハムの『絆』マーケティング

風評被害に負けない筑波ハムの『絆』マーケティング

2011年5月12日
 こんにちは。グリーゼの ふくだたみこ です。


 以前セミナーでお邪魔した新潟県柏崎市のオンラインショップさんたちが
 「恩返し大作戦」を行っています。

 何の恩返しかと言うと・・・

 2007年7月16日に発生した新潟県中越沖地震。
 記憶に新しい方も多いと思います。

 「中越沖地震では応援ありがとうございました。
  今度はわたしたちが応援する番です」

 と書かれている柏崎商工会議所主催のウェブサイトには
 新潟県のオンラインショップの方たちが
 笑顔で拳を振り上げている写真が掲載されています。

 とても力強いです。

 全国に支援の輪が広がっているのは、嬉しいことですね。
 私たちも、できることを少しずつ、行っていきたいと思います。


 一方で、被災地の現実は、まだまだ厳しいようです。

 例えば、風評被害。東北地方だけではありません。

 茨城県つくば市で手作りハムや手作りベーコンの工場をもち
 レストランも営んでいる「筑波ハム」さん。

 お中元、お歳暮などにも利用される人気店でも風評被害があったそうです。



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 「おたくのヨーグルトは大丈夫?」風評被害の現実
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 筑波ハム店長の佐藤さんと電話で話す機会がありました。

 「地震の前日まで賑やかだったレストランが
  地震の翌日から営業がストップ。

  1日に観光バスが何台も乗り付け、全国各地からの
  たくさんのお客様で賑わっていたレストランが
  5月に入った今も、閑散とした状態なんですよ。
  お客様は地元の方と、都内からちらほら。
  観光バスツアーがすべてキャンセルとなり、痛手です。
  オンラインショップの方も同じ。
  売上げはかなり落ちています」

 と、言いにくい話を語ってくれました。

 特に辛いのが風評被害だと言います。

 電話で「おたくのヨーグルトは大丈夫?」と突然付きつけられたり
 メールでの質問も多いそうです。

 報道ではあまり取り上げられていませんが、茨城県も被災地なんですね。

 なんとかお中元シーズンまでには、元に戻したいと願いながら
 日々の業務、改善に努めているそうです。



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 「負けないで」「がんばって」復活への糸口
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 このような厳しい状況の中で、嬉しい話も聞くことができました。

 「ただね、ふくださん、こんな苦しい時に手を差し伸べてくれるのも
  またお客様なんですよ」と店長の佐藤さん。

 筑波ハムのレストランで、地元のお客様に会うと
 「地震、大丈夫だったかい? 怖かったよね」と会話を交わし

 オンラインショップのお客様からの

 「被災地で大変だけど、がんばってください」

 「余震に負けないで、営業続けてください」

 「たったこれだけしか買えませんが、気持ちで応援しています」
 (と2,000円分の買い物をしてくれたお客様も)

 という涙が出るほど嬉しいメールや電話は、日に日に増えて
 今では、数え切れないほどなんだそうです。

 筑波ハムさんのように、お客様に応援してもらって
 復活していくであろうお店と、
 風評被害で撤退を余儀なくされてしまうお店。

 この違いは、どこにあるのでしょうか?



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 お客様との絆を作る、筑波ハムの営業方針
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 「筑波ハム」は1981年に創業。
 養豚農家が始めた手作りハムの会社です。
 茨城県のつくば市で、工場、直売所、レストランを運営しています。

 インターネットへの進出は、2002年。

 オンラインショップ店長の佐藤さんは、
 今のように"お客様に応援していただけるお店"になるまでには
 試行錯誤の連続だったと話してくれました。

 独自ドメイン店を運営しながら
 ヤフーショッピング、ビッダーズ、楽天市場への出店も経験。
 直後にヤフーショッピングとビッダーズを撤退。

 様々なチャレンジと失敗を繰り返してきた結果
 今、ようやくひとつの方向性が見えてきたということでした。

 それは、佐藤さんの言葉で「本店主義」と言い
 リアルのレストランと、オンラインショップとの連携を指しています。

 「当初は、レストランはレストラン、
  オンラインショップはオンラインショップと別々に考えていました。
  ネットだけでいかに集客からリピートまでを完結させるかを
  追求していました」

 と言う佐藤さんが、現在は、

 ・リアルのレストランとオンラインショップとの連携こそ肝心
 ・総合的に筑波ハムのファンになってくれたら、それがベスト

 と考え方をチェンジ。

 「はとバスなどで筑波山や水戸偕楽園の梅まつりなどにやってくるお客様が
  筑波ハムレストランで食事をしてくださいます。
  ツアー客の皆さんが、帰宅後はネット注文を活用してくれるように。

  また、ネットショップで買い物をしてくれたお客様が、
  今度はリアルのレストランにも行ってみたいと感じてくれるように」

 この循環を考えるようになったら、お客様との絆ができて、
 着実にファンが増えているのを感じるというのです。

 「インターネット通販も、販売の手段のひとつに過ぎません。
  自分たちは、何のために働き、誰の笑顔が見たいのかを考えたら
  答えが出ました」と佐藤さん。

 今回のような大地震を経験したのは、誰もが初めてのことだと思います。

 佐藤さんのお話をお聞きして

 普段から、お客様との絆をしっかり作っていけば
 震災、風評被害などによって、売上げが下がったとしても
 絶対に乗り越えられる!

 と確信しました。

 筑波ハムの佐藤さんには、2月に日流eコマースの連載の取材で
 たっぷりとお話を伺っていますので興味のある方はこちらをご覧ください。

 ▼大切にすべきお客様は誰ですか? <筑波ハム>の本店主義
 http://www.gliese.co.jp/contents/uremaga/022.html



 「ふくださんが取材した日流eコマース"筑波ハムさん"の記事ですけど
  今、僕のデスクの壁に貼ってあるんですよ」

 先日、福岡に出張した際の懇親会の席で
 「宮崎地鶏と燻製専門店 スモーク・エース」店長の穴井さんに
 こんなふうに話しかけられました。

 穴井さんは、宮崎空港に出店している「スモーク・エース」の店舗と
 オンラインショップをずっと別々に考えていたそうです。

 「宮崎空港という店舗の場所柄もありますから、
  店舗で購入されたお客様は、次回宮崎にいらっしゃるまで
  購入していただけないと信じていたんです。

  会社自体、認知度がない為、ネットショップは別ブランドで立ち上げ、
  ブランディングに力を入れ、市場を分けようと躍起になっていました」

 信念をもち、運営をしつつも

 「本当にこれでいいのか?」と悩んでいて、

 「もしかしたら、リアルとネットのお客様を同一と考えた方が
  正解かもしれない」

 と考え始めたタイミングで、筑波ハムさんの記事を目にしたそうです。

 「お客様の生活の中に、インターネットというメディアが
  普通に溶け込んでいるということを知りました。

 (中略)

  インターネット販売は実店舗の延長上になくてはならない存在。
  そう信じながら、日々情報発信をしていこうと思っています」

 と後日メールをいただきました。


 リアルのお店があることは、
 直接お客様の顔を見て、声を聞くことができるという
 大きな強みをもっているということ。

 お客様との関係性を育み、絆を強くするお店が
 もっともっと増えていくといいですね。

 そして、私たちもまた、好きなお店との絆を感じながら
 消費者としての生活ができたら、幸せなことだと思います。


 それでは、今回はこのへんで。

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