【コラム】アンジェ・翌日配達お花屋さん・播州ハムに学ぶ“即決させる仕掛け”

インターネットが普及し、私達は24時間いつでもどこでも、ショッピングを楽しめるようになった。しかし、「あらゆる商品がネットで買われているか?」というと答えは「NO」だ。

ある調査では、2008・2009年の2年間、ネットの購入が実店舗を上回った商品のベスト3は、CD・DVD、チケット、健康食品であったという結果が出ている(社団法人 日本通信販売協会「インターネット通信販売利用実態調査2009年度」)。

ここから読み取れるのは、
・CD、DVD、チケット~実物を手にとって確認する必要がない商品
・健康食品~身近に実店舗での販売が少ない商品
が、ネットで買いやすいということだ。

身近に販売場所がないから通販で、というのは自然な成り行きだが、なぜ「実物を手にとって確認する必要がある商品」は、実店舗での購入を超えられないのか? 

それは、購入への不安があるからだ。つまり、商品自体や外装やサービスが購入者の希望通りではなかった時には、交換や返品の手間が発生する。返品不可の場合は満足できないものを買い取らざるをえないからだ。しかも、これが贈答の場合、受け取った先方にも迷惑がかかってしまう。だから、商品をその場で確認できるすべ(スタッフが購入者の不安に即座に答えて解決させる)に長けた実店舗に軍配が上がるのは仕方のないことかもしれない。

そこで、今回は、ウェブサイトにある工夫をしかけることで、購入にかかる最大の不安を解決している事例を、人気オンラインショップから紹介しよう。

■事例1:スタッフの試着レポで「購入失敗への不安」を解決!

20~30代のライフスタイルにこだわりを持つ女性に人気のショップ「アンジェ」。ファッションカテゴリも充実しており、雑貨もスタイルもアンジェで揃えることができる、私も大好きなショップだ。

サイトではステキに見えても、自分は着られるだろうか? という不安から躊躇しがちな商品の代表「パンツ」。アンジェでは、生地のアップや、バックスタイルを見せるだけでなく、「スタッフの試着レポ」を用意している。

スタッフの身長、ふだんの着用サイズ、その商品のジャストサイズ、着用感・・・こんなレポートがあれば、購入者は、好きな色と、自分に近い体型をしたスタッフのジャストサイズ選んで買えばOK。実に明解で嬉しい配慮だと思う。

■事例2:イメージビデオで「お届け時の不安」を解決!

「14時までの注文は翌日に届く」をショップ名にしているフラワーショップ「翌日配達 お花屋さん」。ここで人気なのが、お花に風船を組み合わせたバルーンフラワー。私も何度か利用したこのサービスは、箱を開けるとフワフワ飛び出すバルーンのサプライズが好評。

贈る方はドキドキ、受け取る方はドッキリのハッピーなギフトだが、できることなら、相手が箱を開ける瞬間を、この目で確かめてみたいものだ。そんな、「どんなふうに届くの?」という声に応えて作られたのが、お届け時のイメージビデオ。配達員から受け取った相手が箱を開けると、中からハート型のかわいいバルーンがフワフワ浮き上がってくる様子を収めた動画を公開している。

「うわっ! なにコレかわいい~っ、あ、きれいなお花も!!」と、相手の喜びが伝わる動画の設置は、贈り主も箱を開ける瞬間を事前に確認できることで、不安なく即決することができる。

■事例3:売り切れ時期を予測して「時の不安」を解決!

毎年、お中元・お歳暮で売れ筋ランキングのベスト3に挙がるのがハム。「どうせ贈るなら美味しいものを贈りたい。でも、まだ間に合うかしら?」「お正月用にハムが欲しい。なるべく作り立てを年末受け取りたい」という購入者を助けているのは、お取り寄せでも人気のショップ「播州ハム」。

TOPページのインフォメーションには、「年内受付終了商品が出始めております。」という案内があり、クリックすると、すでに受付終了した商品を知らせるとともに、「昨年度(2009年)の終了状況はこちら。」という案内も。もちろん早めに注文するに越したことはないが、欲しいハム製品が、昨年いつ完売してしまったかがわかれば、今年の完売時期のめどもつくので、夜中のショッピングや相手の都合を聞いてからという購入でも不安は低減する。

今回ご紹介した3つの事例は、いずれも「今、この商品を買うのに何が一番の障壁か?」という視点から生まれている。どんなにステキな服、きれいでワクワクするギフト、有名人も取り寄せるグルメハムも、購入者の心に「大丈夫?」が残っている限り購入ボタンは押されにくい。

もしも貴店が「実店舗で確認して買いたい」類の商品を扱っているのなら、「これなら安心して買える」と即決させる表示や案内ができているかどうか、もう一度、購入者の気持ちになってウェブサイトを確認してみてはいかがだろうか。
(藤森 雅)

カテゴリー: ビジネス・IT

コメントは受け付けていません。